不可思議な、僕の物語。

ゆるめるモ!のけちょんさんの処女作。イラストのオリジナリティには以前から注目していましたが、今作でもたくさんのキャラクターが登場し、彼女の個性が本物であると実感させられました。

手描きならではの繊細なタッチ。水彩の色鉛筆で塗られた世界は独特のトーンを帯びて、決して明るくはない、陰りのある世界観をより際立たせています。

そう、けちょんさんはライブやSNSでうかがえる限りでは、決して明るくはないんです。しかし内に秘めた強い心ーーアイドルとしても、絵本作家としても絶対に譲れないものがあるのだろうな、という太い芯のようなものを発言や佇まいからビシバシと感じさせてくれるんです。そういう部分にファンは信頼を寄せているのだろうな、と思います。(けちょんさんはゆるめるモ!初期メンバーであり、度々のメンバーチェンジを経ても辞めずに7年続けてきた方なんです)

絵本の物語部分は、そんなけちょんさんが人生で得たものが様々な形に変えて盛り込まれている気がしました。

短いお話なので多くは語れないのですが、誰もが子どもの頃や大事にしていたものを思い出し、初心に帰れるような素敵な物語です。そこに関しては本当にオーソドックスで、普遍的な物語になっています。

ただ、前述したように、その絵と少し不思議なストーリーテリングが、けちょんさんにしか描けない絵本にしています。1回目、2回目と読むほどに新しい発見もあるのがおもしろいです。今読んだ感想と、10年後に読んだ感想はまた違ってくる気がします。

処女作でこれだけ骨太で、心に残る作品が描ける方なので、ぜひ描き続けて欲しいと思います。今年はライブも拝見してみたいと強く思いました。

不可思議な、僕の物語。
けちょん作・絵/Rocket Base LLC

 

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