本当の戦争の話をしよう

ティム・オブライエンの戦争小説の傑作。この小説を読んだ時、戦争映画や戦争を伝える写真はいろいろ見たけど、ああいうのは戦争の一側面に過ぎないんだと知り、震えたものだ。

戦争に行った者にとっては、戦場を離れてもずっと戦争は続いているということを、この小説は静かに、しかしはっきりと教えてくれる。

この小説を初めて読んだ当時、とある取材で沖縄の米軍基地の周辺の町を回った。そこで見たのは自分よりもはるかに若いアメリカ人の若者が軍事訓練以外の時間を周辺の町でフラフラと過ごしている姿だった。その日はオフだったようだ。

彼らがどんな人たちで、どういう理由で来ているのか。人づてに教えてもらった。本人たちから直接聞いたわけではないから書けないが、とても胸が締め付けられるような話だった。

夜の街はそんな若者で溢れている。日本人のバンドがアメリカのロックバンドのコピーを聞かせるバーに行った。きっとこういうところで音楽を聴いて故郷を懐かしんだりするのだろうな、そう思ってお店を出ると、駐禁を切られていた(自分が悪いです。ちなみにバーではお酒は飲んでいません。怖くて酔える雰囲気ではなかった)。

ともかく。本当の戦争は人の心を永遠にどうにかしてしまう、というのが恐ろしい。そんな映画もあったよね。結局戦場に戻ってしまうスナイパーかなんかの話。タイトル忘れちゃったけど。

本当の戦争の話をしよう
ティム・オブライエン著/村上春樹訳/文春文庫

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