地球最後の男

このサイトの雰囲気なら、最初の書評はおしゃれな本だよね、というメンバーの意向を裏切り、私が人生で最も読み返した回数が多い、ホラーな1冊をご紹介します。

タイトルは「地球最後の男」。そんな男になりたくない!

中学生の時に初めて読み、その後、高校、大学、社会人になってからも数回。度々友人との会話やテレビや雑誌などでこのタイトルが浮上し、ちょっと本棚から手にとって読みだしてしまうと、ついつい面白くて一気読みしてしまうんです。結果、最も読み返した回数が多い本第1位になってしまいました。ちなみに好きな作家はスティーヴン・キング。日本の古典文学から海外文学、ノンフィクション、最近だと経営についての本なども好みで、なんでも読むタイプです。若い頃は辞書や聖書なども読むくらい文字ならなんでも読んでました。

だから、もっと他にあって良さそうなもんですが。この本が第1位。ちなみに2位はなんだったか、そもそもあまり読み返さないので思い出せません。

「地球最後の男」は映画「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」や多くのヴァンパイア作品、ホラー作品全般に影響を与えた伝説的な傑作と言われています。私も異論はありません。「アイ・アム・レジェンド」というタイトルで、ウィル・スミス主演で映画化もされています。映画も面白いんですが、小説の方が時代設定も古いからだと思いますが、孤独感がすごい気がします。やっぱ映画と小説はなんか別物ですね。ちなみに新訳で出ている小説版「アイ・アム・レジェンド」も面白いですが、「地球最後の男」の方が面白かったです。なんだろう。雰囲気が違います。

リチャード・マシスンの小説は怖さもすごいんですが、人間がしっかり描かれていてどっぷり感情移入、あるいはその世界に没入できます。この作品でいえば、主人公が文字通り地球最後の男(人類)となってしまい、圧倒的な孤独の中、毎夜攻撃してくるモンスターとひたすら戦っている姿に、気持ちが一体化して、本当につらい気分になり、終わりのない恐怖にドキドキしてしまうんです。

さらにはモンスターと戦っていたはずが、実は…という驚愕のラストが待っています。この鮮やかな逆転劇はなかなか他の小説でもお目にかかれない強烈な余韻を残します。

この結末は、普段の生活の中でも起こりえることで、自分が正義だと思っていたことが、誰かにとっては悪であったり、優しさだと思っていたことが、迷惑だったり…本当にいろいろ考えさせられます。

中学生くらいの時に出会ってほしい1冊です。

「地球最後の男」
リチャード・マシスン著/ハヤカワ文庫NV

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